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しがない獣医girraffeの論文とダイエットとあと何か

読んだ論文の要約を紹介します。あと続かないダイエットの記録も(苦笑)

敗血症の新定義

そろそろ発表になると聞いていましたが、出ましたので要約をかいつまんでお知らせします。

"New Definitions for Sepsis and Septic Shock
Continuing Evolution but With Much Still to Be Done"
JAMA. 2016;315(8):757-759. doi:10.1001/jama.2016.0290.

1.敗血症の定義変化
旧:全身症状を伴う感染症,あるいはその疑い
新:感染症に対する制御不能な宿主反応に起因した生命を脅かす臓器障害

つまりSIRS+感染=敗血症ではなく、重症敗血症以上を敗血症と定義しなおしたということです。
これにより敗血症病態は敗血症敗血症性ショックの二つのみになりました。
つまり「はいはい、敗血症ね。で何が問題なの?」という状況から脱却して、より危険なものだけピックアップできるようになりました。


2.敗血症診断基準の変化
旧:体温の変動、脈拍数の増加、呼吸数の増加、白血球数のうち二つを満たす
新:ICU患者でSOFA(sequential organ failure assessment)scoreが2点以上(http://www.fmu.ac.jp/home/masui/anesthesiologists/sofa.html
ICU以外の患者はqSOFA scoreで2点以上
(qSOFAスコア:呼吸数22回/分以上、精神状態の変化(GCS14以下)、収縮期血圧100mmHg以下)

比較的血圧変化は重要と言われていましたが、これが明示されるようになりました。さらに意識状態の把握も入っています。

3.敗血性ショックの定義と診断基準
旧:敗血症で輸液負荷にも反応しない収縮期血圧の低値
新:適切な輸液負荷を行ったにもかかわらず平均血圧65mmHg以上を維持するための循環作動薬を必要とし、かつ血清乳酸値が2mmol/L以上

新基準の死亡率は40%にもなるそうです。
ベッドサイドにおける乳酸値測定がますます重要になりそうですね。


ちなみに各根拠となった試験は下に示しときます。
2.敗血症診断基準の変化:JAMA 2016; 315: 762-74
3.敗血性ショックの定義と診断基準:JAMA 2016; 315: 775-87